ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「茜」


「……帰りたくない」


「親父さんが心配するぞ」


「嘘、心配なんてするわけがないのよ」


自分が駄々っ子みたいなことを言っているとわかってはいる。


それでも、素直に帰りますとは言えなかった。


「少なくともオレは心配する」



崇さんはバイクから降りると、私の持ってるヘルメットを取り上げた。


それを私の頭にかぶせてしまう。

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