ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
崇さんの背中を見ていると、気持ちが落ち着いてくる。
「……ありがと」
「ん。しっかり掴まってろよ」
崇さんが私の手を掴んで、崇さんのお腹まで回した。
私は言われた通り、ぎゅっと掴む。
崇さんはバイクのエンジンを吹かせると、走り出した。
異性とくっついているというのに、考えることはお父さんのことばかりだ。
お父さんはもしかして家でご飯を食べるんだろうか。
会社が何時までかは知らないけど、
外で食事を済ましてからの帰宅なら、こんなに早くには帰れない気がする。