ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

昨日と一昨日は家で食べなかったので、同じ家にいても顔を合わせるのは必要最低限で済んだわけだけど、

一緒に食事をするとなると何か会話が必要だ。


そう考えるだけで気づまりだ。


お父さんと会ったら、どういう顔をすればいいんだろう。


歩いて10分ほどの距離はバイクではあっという間で、答えを見つける前に自宅についてしまった。


バイクを降りて家を見ると、リビングから明かりが漏れていた。


本当にお父さんが帰宅しているようだ。


そっと息をつきながら、ヘルメットを崇さんに返す。


崇さんは自分のヘルメットを取りながら、言いにくそうに切り出した。


「実はさ。初日の翌日だから、火曜日か。親父さんに連絡したんだ」

「え?」

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