ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

思わず崇さんの目を見ると、崇さんは目線をそらした。


「娘さんが若い男と二人きりで料理を教わるって、親御さんが知ったら心配するだろ。

内緒にしていてバレたときのことを考えたら、やましいことはしてないんだから隠さない方がいいって思ったんだよ」


「つまり、若い男と二人きりだと知って、お父さんがここのところ毎日きちんと帰宅してるってこと?」


二人きりにさせないために?


「まあ、たぶん」


私は黙り込んでしまう。


それってどういうことなんだろう。


私を信用してないってことだろうか。


出会ったばかりの人とどうこうはならないのに。

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