ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
そりゃあ、お父さんだって笑うことはあるだろう。
でも、笑いあって話したことがなく、笑顔を見るだけで戸惑ってしまう。
「さて、ご飯にするか」
お父さんはパソコンを片付け、立ち上がった。
私もコートを脱いで、制服姿のまま食卓へ向かう。
食卓には洋食が並んでいた。
オムライスと温野菜のサラダだ。
ラップのかけられたオムライスを電子レンジにかける。
スープカップが食卓に伏せられていたので、キッチンを覗くと、
コンロの上に置かれたお鍋の中に野菜たっぷりのスープが入っていた。