ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
先に食べ終わったお父さんは手を合わせて「ごちそうさま」と言った。
それを見て、私も慌てて最後の一口を食べると、手を合わせた。
お父さんは私の分も食器をまとめると、キッチンへと立つ。
「あ、ありがとう。あの、流しに置いてくれたら私が洗っておくよ」
「いや、大丈夫だ」
「そ、そう……」
私は何を言えばいいのか、何をすればいいのか。
それがわからず、キッチンとダイニングの境目に立って、食器を洗うお父さんの姿を見ていた。
洗い終わったお父さんは不意にこちらを見て、驚く。