ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「そう。こんなこと初めてで、私、どうしたらいいのかわからないよ」


『まあ、どうしたもこうしたもないよ。おじさんの行くところに着いていきな』


「それはそうだけど……お父さん、何を思ってこんなこと言い出したんだろう」


私は枕を抱え込んだ。


『うーん、そういうことは本人に聞かなきゃわからないよ』


「ごもっともです。だけど、聞けないから困ってるんだよ」


『おじさんなりに、娘を放置しすぎてるって思ったとか、なんか心境の変化でもあったんじゃない』


「ええー。今さらすぎる」


『まあね。おじさんが家に寄り付かないのはひどすぎたしね』


「……そうだね」


私は苦笑した。


他人の目でもそう見えるのか。

< 185 / 445 >

この作品をシェア

pagetop