ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「桂木さん、12月後半のシフトができたの。あとで確認してくれる? あと、その、24日にも働いてもらってごめんなさいね」
「気にしないでください。そういう約束ですし、どうせ祝う予定もないので」
「でも、高校生だったら、友達や家族と過ごす歳でしょう」
私は笑顔を深めた。
何か答えなくてはと思うのだけど、言葉が見つからないので、とりあえず笑っておく。
ちょうどそのとき、店長がキッチンから顔を出し、私たちに呼びかけた。
「おい」
いつもより硬く感じる声にドキッとする。