ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「何でも買ってあげるから、遠慮しなくていいぞ」
「いや、今はいいよ」
「一つくらい気になるものはないのか?」
「なんでそんなに買いたがるの」
私は足を止めて、お父さんを見上げた。
お父さんは迷ったそぶりを見せたあと、口を開いた。
「もうすぐ24日だろ」
その言葉が引き金となった。
お父さんを睨みつけてしまう。
「だったら何なの。今までずっと一人にしておいて、今更、親子づら?」
鼻で笑うように言い捨てると、お父さんが凍りついたような顔をした。
罪悪感よりも言葉が先に出てしまう。