ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「何でも買ってあげるから、遠慮しなくていいぞ」


「いや、今はいいよ」


「一つくらい気になるものはないのか?」


「なんでそんなに買いたがるの」


私は足を止めて、お父さんを見上げた。


お父さんは迷ったそぶりを見せたあと、口を開いた。


「もうすぐ24日だろ」


その言葉が引き金となった。


お父さんを睨みつけてしまう。


「だったら何なの。今までずっと一人にしておいて、今更、親子づら?」


鼻で笑うように言い捨てると、お父さんが凍りついたような顔をした。


罪悪感よりも言葉が先に出てしまう。

< 196 / 445 >

この作品をシェア

pagetop