ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
売り場とキッチンの境は腰から上がガラスとなっているので、こちらの様子はキッチンからも見える。
手を動かさずに話ばかりの私たちが気になったのかもしれない。
「もう店じまいの時間だぞ」
「すみません、片付けます」
時計を確認すると、閉店時間の夕方6時半をわずかに過ぎていた。
CLOSEDの看板を店の外に出すと、
ショーケースの中の余ったケーキをキッチンの業務用冷蔵庫へしまっていく。
焼きこみタルトが美味しいお店とは言っても、生ケーキの類もたくさん置いている。
日持ちのしないものは冷蔵庫に移さず、勿体ないけど廃棄だ。
店長は持ち帰り用の箱を取ってくると、廃棄のケーキを6個、箱に詰めた。