ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

売り場とキッチンの境は腰から上がガラスとなっているので、こちらの様子はキッチンからも見える。


手を動かさずに話ばかりの私たちが気になったのかもしれない。


「もう店じまいの時間だぞ」

「すみません、片付けます」


時計を確認すると、閉店時間の夕方6時半をわずかに過ぎていた。


CLOSEDの看板を店の外に出すと、

ショーケースの中の余ったケーキをキッチンの業務用冷蔵庫へしまっていく。


焼きこみタルトが美味しいお店とは言っても、生ケーキの類もたくさん置いている。


日持ちのしないものは冷蔵庫に移さず、勿体ないけど廃棄だ。


店長は持ち帰り用の箱を取ってくると、廃棄のケーキを6個、箱に詰めた。

< 20 / 445 >

この作品をシェア

pagetop