ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
救急車に同乗しなかった崇さんには、「病院に着いたら電話をするように」としつこく言われていたので、
お父さんの治療が始まってすぐに連絡していた。
崇さんはすぐに駆けつけてくれ、隣で私の手をぎゅっと握ってくれた。
手と肩から感じる温もりが私に勇気をくれたのか、心は段々と落ち着いた。
一人でいることが当たり前すぎて、誰かがそばにいてくれることが、こんなに心強いのだと初めて知った。
一通り検査などを終え、お父さんは病室に移ることになった。
ベッドで休めるように、病室で点滴を受けるということだった。
病室にやってきた医師の説明を一人で受ける。
崇さんは廊下で待ってくれている。
「過労ですね」
「過、労」
その言葉に、呆然となる。