ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「あと、睡眠不足と栄養不足もあるかもしれません。不摂生ですね」
お父さんは点滴を受けながら眠っていた。
意識不明というより、睡眠だという話で、そこはホッとする。
「診断書を出しますので、しばらく仕事はお休みになった方がいいと思います。今日は目が覚めたら帰宅されて大丈夫ですが、家で安静にしてください」
「はい。ありがとうございます」
病室を出る医師を見送ったあと、私はベッド横の丸椅子に座って、お父さんの顔を見た。
頬に赤みが差していて、さっきよりは体調が回復していそうだ。
「……バカ」
私は一人でつぶやいた。