ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
そんな生活よりも、
家政婦さんに身の回りの世話をしてもらっている私の方がお金はかかっているはずだ。
外食は安いお店で済ますこともできるけど、家政婦さんを雇うことは決して安くない。
そう考えたら、お父さんが誰のために、誰の生活を守るために働いているのか、答えは見えてくる。
そんな簡単なことに、どうして気付けなかったんだろう。
私は自分のことしか見えていない。
周りの人が何を考え、何をしているのか、そんな想像すらできていなかった。
私が一番のバカだ。大ばかものだ。
私はお父さんの手を取って、両手で強く握りしめた。
「早く目を覚まして」