ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
崇さんの自宅がどこか知らないけど、家から離れた場所で偶然会う確率なんて、
きっとものすごく低い。
偶然でないなら、お父さんからショッピングモールに行くことを聞いていたのかな。
だとしても、どうして崇さんもその場に行く必要があるの?
グルグルと考え込んでいると、チンと音が鳴ってハッとする。温め終わったようだ。
別の器に移し、レンゲを付けてお盆に乗せると、
2階に上がってすぐのところにあるお父さんの部屋へ向かった。
「お父さん、起きてる?」
部屋をノックして声をかけると返答があったので、扉を開けた。
お父さんはベッドの上に体を起こしていた。