ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

崇さんの自宅がどこか知らないけど、家から離れた場所で偶然会う確率なんて、

きっとものすごく低い。


偶然でないなら、お父さんからショッピングモールに行くことを聞いていたのかな。


だとしても、どうして崇さんもその場に行く必要があるの?


グルグルと考え込んでいると、チンと音が鳴ってハッとする。温め終わったようだ。


別の器に移し、レンゲを付けてお盆に乗せると、

2階に上がってすぐのところにあるお父さんの部屋へ向かった。


「お父さん、起きてる?」


部屋をノックして声をかけると返答があったので、扉を開けた。


お父さんはベッドの上に体を起こしていた。

< 210 / 445 >

この作品をシェア

pagetop