ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「ま、まあ、それはともかくとして。崇さんに任せてばかりじゃなくて、私もお父さんのために何かできたらなって思うんだけど。
私、これならできるって自信持てること何もないし、思いつかないのよね。何ならできると思う?」
「うーん」
真衣は考えながら歩きはじめ、私も隣に並んで歩いた。
「あ、そうだ。せっかく崇さんに料理を習ってるんだし、おじさんのご飯を茜が作ったら?」
「ご飯? 私にちゃんとできるかな」
たいがいのことはお父さん自身ができるほどに回復しているので、
今から何かお父さんの面倒をみたいと思えば、確かに食事がいいアイデアだとは思う。
崇さんにお願いすれば、今日の晩ご飯から作らせてもらえるだろう。
だけど、私に美味しいものが作れるのか、自信がない。