ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

それに、やったことと言えば、具材を切って、鍋に入れて火にかけたくらいで、

調理らしい調理は本当にしていない。


褒められるほどのこともしてないんだ。


キッチンにある炊飯器から白米をよそって、食卓へ運ぶ。


父は鍋用の取り皿にポン酢を入れてくれていた。


「ありがとう、お父さん。食べよっか」

「ああ」


席について手を合わせると、お鍋の蓋を開けた。


グツグツと煮立っていて、食べられそうだ。


お父さんは自分の取り皿に穴あきのおたまを使って豆腐を入れた。


私も無難に豆腐を選ぶ。

< 228 / 445 >

この作品をシェア

pagetop