ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

自分の心なのに、まるで自分のものではないみたいだ。


自分の気持ちが分からない。


ちょっと前なら、こんなことをされたら迷惑に感じていたはずだ。


でも、そう感じることはできなくて、それを素直に認めることもできなくて、

心のうちに複雑な気持ちが渦巻いている。


私は手を伸ばすか迷った。


受け取りたいのか、受け取りたくないのか、そんなこともわからない。


だけど、今の私には、散々放ったらかしにして父親づらしないで、と拒絶することもできず、包みを受け取るしかなかった。

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