ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
私は頷きながら言った。
「お父さんのご飯を作らせてほしいって話は、お父さんが元気を取り戻した今も有効なのかわかりませんが、お父さんにご飯を作りたいんです。
少ない回数だったけど、崇さんに教わった成果をお父さんに見てほしい」
「そっか、いいんじゃないか」
「本当ですか!」
「ああ、きっと親父さんも喜ぶ」
「美味しく作れる保証はないので、喜ぶかは怪しいですけど」
「娘の作ったご飯なら、どんなにまずくても、焦げても美味しいんじゃないか?」
「そんなものですか」
「たぶん。まあ、そこまでひどい失敗をさせる気はないけど。で、何か作りたいものはあるのか?」