ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「特には。でも、難しいものは無理です。簡単なもので。教わった卵焼きと味噌汁に、あと何品か作れたらと思うんです」


「わかった。献立は考えておく。金曜日は23日だから祝日だけど、バイトは?」


「お休みです。23日も忙しいはずですけど、お店の人が気をつかってくれて。クリスマスだけの臨時雇いのバイトが3人いるので、その人たちに入ってもらうから、私はお休みで大丈夫だって」


「それならいつもよりちょっと早く、昼過ぎには伺うから」


「はい、待ってます。ありがとうございます」


金曜日の予定を決めて、私たちは崇さんの運転するバイクで自宅へ戻った。


自宅では、崇さんの用意した晩ご飯を一人で食べたというお父さんが、笑顔で出迎えてくれた。

< 259 / 445 >

この作品をシェア

pagetop