ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
ところが、4限目の終わるチャイムが鳴ってすぐに立ち上がった真衣は、
佐藤さんと大園さんに捕まってしまった。
私は鞄からお弁当を取り出して待っていたが、10分たっても話は終わらないようだ。
どうしよう。
ため息が漏れる。
真衣とは毎日一緒にお昼を食べる約束をしているのだから、
真衣の元へ行って「ご飯にしよう」と声をかければいい。
それなのに、他の人と楽しそうに笑っている真衣を見ると、
このままでいいのではないかと思えてくる。
真衣だって、幼なじみのよしみで親しい振りをしてるだけで、
私のことなんて本当は友だちと思っていないかもしれない。