ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
真衣のそばで、一人でお弁当を広げる勇気はない。
佐藤さんたちとは親しくないので、私も一緒に食べるなんてことはもっと無理だ。
学食を利用しないのに、混んでる食堂で一人でお弁当を広げることも私にはできない。
他に食べる場所も思いつかない。
どんなに寒くても、外で食べるしかない。
決めて、私は再び歩き出した。
もう少し歩くと、花壇の前にベンチがいくつかある。そこで食べよう。
そう思ったとき、後ろから走ってくるような足音が響いた。
肩を掴まれる。
突然のことに驚き、声が出ない。
「やっと見つけた」