ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「ちょっと、怒ってるのに何を笑ってるのよ」
そう言われて初めて、自分が笑っていることに気づいた。
緩んだ頬に手をあてる。
「親友って思ってるのが私だけじゃないってわかって、嬉しくて」
いつもならこんなことを素直に言えない。
でも、私は変わりたいんだ。
素直になれない自分はもう嫌だと思っていて、真衣にもお父さんにももっと素直になりたい。
真衣は呆気に取られたような顔をした後、笑った。
「それならいいのよ。それより、ここは寒すぎ! もっと暖かいところで食べようよ」
「う、うん。でも、どこで?」