ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

真衣は少し考え、笑った。


「私、いいところを知ってる。こっち」


私の手を引いて歩く。


やがてベンチが見えてくる。


中庭だ。


中庭に面した教室の一つに、中庭側にドアのある教室がある。


真衣はそのドアをノックもなしで開けた。


普通の教室は中庭側にドアなんてないので、ここは何の教室だろう。


「せんせー、ここでお昼を食べさせてー」


真衣は奥に向かって声を張り上げた。


すぐそばにはベッドが二つあり、その奥のデスクには白衣を着た短髪の男性が座っている。


どうやら保健室のようだ。


あの先生は養護教諭だろうか。

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