ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
お父さんと自分の朝ご飯を温め、まだ起きてこないお父さんを起こしに行こうかと思った頃、
お父さんは2階から下りてきた。
物音で気付いた私は「おはよう」と声をかけながら振り向き、お父さんの姿を見て驚く。
青いストライプのネクタイを締め、チャコールグレーのスーツを着ている。
手には、仕事のときに持っていく黒い鞄と黒のコートがある。
「もしかして、今日、仕事なの? 祝日なのに」
「ああ、そうなんだ」
お父さんは鞄とコートをリビングのソファに置いてから食卓についた。
私も向かいに座る。