ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「でも、過労で倒れたところなのに、働きすぎじゃない。大丈夫?」
倒れた頃ほどひどくはないけど、少し疲れたような顔をしていて心配になる。
「休みたいところだが、忙しくてな……。でも、そんなに遅くならずに帰れるとは思う」
お父さんは優しく微笑んだ。
しんどい思いをしているはずのお父さんにそんな顔をされると、私も文句ばかりは言えない。
「それならいいんだけど……あの」
お父さんが食事を始めたので、私もお箸を持った。
しかし、言いそびれる前にあのことを言わなくては、と先に伝えることにした。
「崇さんに教わって、今日の晩ご飯は全部私が作ることにしたの。その成果をお父さんに見せたいと言うか……晩ご飯を一緒に食べてほしいの」