ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
一緒に食べたい。
お父さんのために作りたい。
ただそれだけなのに、ぐだぐだともっともらしい理由を付けてしまった。
お父さんは食べる手を止めて、私をまっすぐに見ると、目じりをくしゃくしゃにして笑う。
「娘の手料理を食べられるのは嬉しいな」
まだ作って食べてもらったわけじゃないけど、
崇さんが言っていたような反応が返ってきて、そわそわする。
返事に困って、曖昧に頷いた。
「少しでも早く帰れるように、仕事を頑張ってくるよ」
「うん、待ってる。頑張って」