ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
☆
崇さんは食材の入ったスーパーの袋を持って、約束通り午後の1時ちょうどにやって来た。
2時間ほどは掃除や作り置きなど他の仕事を済ますそうで、
私は邪魔にならないように部屋でDVDを見ていた。
2時間と少しある映画のクライマックスシーンで、ドアのノック音が響いた。
「はい?」
「茜、崇だ」
「すごい。時間ピッタリですね」
DVDを止め、部屋の時計で時間を確認してからドアを開けた。
2時間と少しの映画ではなく、2時間きっかりの映画を見るべきだった。