ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
お肉は国産とか、お値段の高いやつがいいものなんだろうか。
「何というか……お手上げです」
「レトルトとか冷凍食品の棚も見てみるか。その中で食べたいものがあれば、一から作ればいい」
「そうですね、食材で決めるより、料理を決める方がなんとかなるかも」
早速、冷凍食品やレトルト食品の売り場を見て歩く。
「あ」
私はあるものに目を留めた。
「何かあったか?」
崇さんは私の目線の先を追い、「ちらし寿司がいいのか?」と聞いた。
「いいっていうか……」
私は棚からちらし寿司の素を手に取った。
「食べたことないなって思って」
「は?」
崇さんは大きな声を出して、私を凝視した。