ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

ケーキと真衣の事情


朝、目が覚めると、頭がズキズキと痛んでいた。


「あれ」


頬に手をやると濡れている。

涙だ。


昨日は泣いた記憶なんてないので、眠りながら無意識に泣いてしまったようだ。


「どうして涙なんて……」


答えなんてわかっている。


悲しい夢を見たわけじゃない。


わかってはいるけど、わかりたくない。


私は何があっても何も感じないと思っていたのに、

心の奥底では泣いてしまうほど悲鳴をあげていたというのか。


その事実を受け入れることが嫌だった。

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