ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

手のひらで涙を拭い、体を起こした。


ふと、枕元の置き時計を確認すると、起きる時間を15分ほどオーバーしていた。


「やばいっ」


泣いたせいで脱水にでもなったのか、動く度に頭へ痛みが響くけど、それどころではなかった。


私は急いで顔を洗いに1階へ下りた。


お父さんと会ったらどんな顔をすればいいのか。


少し心配ではあったけど、杞憂だった。1階は静まり返っていて、人の気配がない。


洗面所で鏡を見ると、目は少し赤くなっていた。


でも、泣いたとバレるほどは腫れていない。


学校に泣いた目で行きたくなかったので、良かった。

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