ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

みんなが一斉に声のした方を見る。


私も思わず腰を下ろして、教室内を見回し、声の主を確認した。


どうやら佐藤さんのようだ。


佐藤さんと大園さんが真衣に何か言っていて、

真衣は顔の前で手を合わして、謝るような仕草をしている。


何があったのだろう。


喧嘩だろうか。


真衣が誰かと揉めている姿なんて初めて見た。


私は立ち上がり、迷った。


ここで見て見ぬふりをして帰ることは簡単だ。


簡単なはずなのに、それでいいのか……と足は動かない。

< 326 / 445 >

この作品をシェア

pagetop