ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
困っている真衣を見捨てていいものなのか。
それで友達と、親友と呼べるのだろうか。
鞄を持つ手に力をこめた。
それでいいわけ……ない。
今からしようとすることに、緊張が背筋をかたくする。
喉がカラカラになり、貼り付きそうだ。
声は出るだろうか。
不安になる。
それでも、私は一歩を踏み出した。
真衣たちの元へ行く。
「真衣」
呼びかけると、真衣は私を見た。
続いて、佐藤さんと大園さんもこちらに目を向ける。