ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

大園さんの言葉はそこで途切れた。


佐藤さんが大園さんの肩に手をあて、首を横に振る。


大園さんは何を言うつもりだったのだろう。


パッと思いついたのは、私よりも自分たちを優先して欲しいということ。


小学生くらいの頃、真衣は私以外にもたくさんの友だちがいた。


ときには他の友だちを優先していると感じ、私は嫉妬を覚えたのだ。


私よりも他の子が大事なのか、と。


今思えば、バカな感情だったと思う。


私だけを大事にしろと言っているような要求が正しいわけない。

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