ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

それでも、今でも、他の友だちと仲良くしている真衣を見ると、寂しく感じることがある。


それに近い感情なのかもしれない。


「ごめんね、二人とも。また冬休み明けにね。バイバイ」


真衣は申し訳なさそうな顔をしながらも、口元は笑みを浮かべ、手を振った。


佐藤さんは手をあげてくれたけど、表情が硬いままだ。笑ってない。


大園さんは睨むような目で私を見ている。


「茜、行こっか」

「いいの?」


私から二人と引き離すようなことを言っておいて何だけど、

喧嘩別れして、3学期には何もなかったように笑えるのだろうか。


私の心配をよそに、真衣は頷いた。


教室を出るときに気になって振り向くと、二人はまだこちらを見たままだった。

< 331 / 445 >

この作品をシェア

pagetop