ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
それでも、今でも、他の友だちと仲良くしている真衣を見ると、寂しく感じることがある。
それに近い感情なのかもしれない。
「ごめんね、二人とも。また冬休み明けにね。バイバイ」
真衣は申し訳なさそうな顔をしながらも、口元は笑みを浮かべ、手を振った。
佐藤さんは手をあげてくれたけど、表情が硬いままだ。笑ってない。
大園さんは睨むような目で私を見ている。
「茜、行こっか」
「いいの?」
私から二人と引き離すようなことを言っておいて何だけど、
喧嘩別れして、3学期には何もなかったように笑えるのだろうか。
私の心配をよそに、真衣は頷いた。
教室を出るときに気になって振り向くと、二人はまだこちらを見たままだった。