ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
真衣は唇に人差し指をあて「ふふ、内緒」と笑う。
親友の私にも言えないことなんだ、と少し寂しさを感じてしまう。
気分はスッキリしないけど、あまり詮索するのもどうかと思って、それ以上は訊かなかった。
真衣とは家の前で別れて、帰宅後、お昼を取り出すために冷蔵庫を開け確認した。
「やっぱり少ない」
朝に気付いた料理の数だ。
タッパーを取り出し数えてみたけど、明日には食べきってしまう数しかない。
どういうことだろう。
崇さんがこんな初歩的なミスをするなんて思えない。