ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
店長を振り返ると、何やらこそこそ手招きをされる。
こそこそと言っても、店長は体が大きいので、全然隠せていないのだけども。
店長の元へ寄ると、他のバイトさんたちは私たちに挨拶をして先に帰っていった。
私も「お疲れさまです」と皆さんに頭を下げると、店長に向き直った。
「なんですか。店長」
「ん、これ」
店長が私に箱を差し出す
それはケーキの箱だ。
「え」
考えるよりも先に、受け取ってしまう。
「なんですか、これ」
「みんなで食べてくれ」
「みんなでって言われましても……」
一体、誰と?