ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
お父さんは、未だに甘いものが好きかさえ知らないままだ。
例え好きだったとしても、昨日の今日で一緒に食べる気分にはなれなかった。
真衣と食べたいけど、クリスマスパーティーを断るくらいの大事な用事があるのだ。
帰宅が遅くなる可能性もあるかもしれない。
それに、鈴木家もクリスマスケーキを用意しているはずだ。
崇さんは……無理だ。
会いたいけど、仕事は終わったのに個人的に呼び出すことなんて、私にはできない。
結局、ケーキを一緒に食べる相手なんて思いつかなかった。
だいたい、私はクリスマスなんてしたくないのだ。
クリスマスケーキなんて不要だ。