ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「え……」
さっきの音が何だったのか。
今、何が起きているのか。
頭の理解が追いつかない。
呆然としたまま首を廻(めぐ)らす。
シャツの上からセーターを着てジーパンを穿き、珍しくラフな格好をしたお父さんに、
崇さん、真衣がいた。
みんな、楽しそうに笑っている。
笑っていない私だけが場違いみたいに感じて、戸惑う。
それぞれの手にはクラッカーがあり、ようやく音の正体が掴めた。
私の頭には、クラッカーから出た紙吹雪が垂れ下がっているようで、
視界の端に黄色やピンクの紙紐が映っている。
それを手に取った。