ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
昨日、約束を破って帰宅できなかったくらい忙しいお父さんが、どうしてここにいるのだろう。
もう仕事を終えて、さよならをしたはずの崇さんがどうして。
茜の用事はこのことだったの?
頭の中をグルグルと回る。
思考の整理ができない。
心はなぜか冷えていた。
みんなからの好意を感じれば感じるほど、冷え込んでいく。
なぜだか、嬉しいとは思えなかった。
3人から視線をずらすと、リビングの壁は折り紙か何かで作った輪っかや花で飾り付けられていた。
ダイニングの方へ視線を移すと、食卓にはたくさんの料理が並んでいる。