ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
そんな顔をさせるしかできない自分が歯がゆいと思ってはいるのに。
お父さんを見て心が痛んでいるのに、私は止まれなかった。
ブレーキは壊れ、自分勝手な気持ちが爆発するように胸からあふれ出す。
「なんなの……」
私はプレゼントを受け取らずにお父さんの横を通り抜け、テーブルにケーキを置くと、
お父さんに向きなおった。
一度あふれ出した気持ちは止まらない。
もう私にも止められない。
「こういうことをすれば、私の機嫌が取れると思ってるの? 物で釣れると思ってるの」
吐き出した瞬間、「茜!」と崇さんの鋭い声が飛ぶ。
しかし、崇さんの制止の声も助けにはならなかった。