ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

夜に家事をしてもらうことも可能だけど、あまり遅い時間に異性が家にいるのは困るのだ。


少年はスマホをブルゾンのポケットに戻すと、真正面から私を見る。


「親父さんに連絡して、親父さんは仕事で不在だけど娘さん、つまりあんたが家にいるからってことで4時半に約束取ったんだけど」


「ええっ、聞いてない」


考えていたことすべてが頭から吹き飛ぶ。


最高気温がぎりぎり2桁という時期だ。


晴れていても、12月の夕方以降なんて気温は1桁まで下がっている。


今の気温は恐らく5度あるかどうかだ。


人が来るなんて知らなかったとはいえ、寒空の下で3時間近くも待たせてしまったのか。


さっきから少年の態度で機嫌が悪いと感じていたけど、それは怒るはずだ。

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