ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
思考も心も追いつかなくて、ただぼんやりと崇さんを見た。
真衣は「ちょっと崇さん」と言う。崇さんは真剣な目で私をじっと見ていた。
「それ以上言うことは許さない」
「な……なんなのよ」
私は唇を震わせた。
「みんなして、お父さんの味方なのね」
こんなところにはいられない。
私はリビングから出て行こうとした。
だけど、お父さんに肩を引かれ、止められた。
「茜、待ちなさい。今日は茜のお祝いだ。邪魔なのは私だろう」
「え」
「私が出て行くよ」