ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
どうしたらいいんだろう。
その時、頭をそっと撫でられた。
「悪りぃ」
崇さんの声だ。
鼻水垂らした顔をあげると「なんて顔をしてるんだ」と崇さんが笑う。
崇さんは私の横で中腰になって、私を覗きこんだ。
「止めようと必死でつい殴っちまった」
すまんと頭を下げる崇さんに、私は首を横に振った。
「止めてもらえて、よかった。でないと、あれ以上、ひどいことを言って、いたかもしれない」
泣いているせいでうまく喋れなくて、途切れ途切れに返す。