ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
真衣も入ってくる。
崇さんが明かりを点け、部屋の様子がわかる。
お父さんは几帳面な人かと思っていたけど、部屋は意外と乱雑だった。
スーツやYシャツが何着か出しっぱなしで、壁に掛けられている。
コートもある。普段着は折りたたんで部屋の隅に置かれていた。
崇さんはクローゼットのそばに立つと「扉を開けてみな」と親指でクローゼットを指し示した。
クローゼットがあるのに、どうしてスーツを外に出したままなんだろう。
そうは見えないけど、横着な性格なの?
疑問はすぐに解けた。
クローゼットの中は、赤、黄、ピンクなどのたくさんの包みで埋め尽くされていた。
どれもラッピングされているようで、プレゼントの品……なのだろか。
一体、何個あるのだろう。
包みの上に鞄くらいなら置けるかもしれないけど、服を置く場所はなく、なんだか異様な光景だった。