ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「すみません、バイクはここに置いて中へどうぞ」
門扉を開け、その内側にバイクを移動してもらうと、玄関の扉も開けた。
家の中は一日不在にしていて冷えているとはいえ、
閉め切っていたので、外の寒さに比べたら暖かく感じる。
玄関を上がってすぐ右にあるリビングへ案内すると、
ソファのそばにある電気ストーブのスイッチを入れ、コートを脱いだ。
私がソファを勧めると、少年は鞄をソファに置いて、ブルゾンを脱ぎながら座った。
「何か体を温めるもの持ってきますね」
「いや、おかまいなく」
私は首を横に振った。