ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「茜とおじさんって、そういうところそっくりだよね。このプレゼントも、渡せないうちに、もっと渡せなくなっちゃったんじゃないかな。
それでも、捨てることはできなくて、大事にしていた。それがきっと茜への気持ちなんだよ。ずっと茜が大事で、忘れたことなんてなかったはず」
「真衣……」
隣にいる真衣を確認しようと思うのに、視界がぼやける。
オーナメントが初めてのプレゼントじゃなかった。
さっきのプレゼントも初めての誕生日プレゼントじゃなかった。
昨日帰れなかったから、私の機嫌を取るために慌てて買ったわけでもなかった。
考えなくてもわかることだ。
パーティーの準備なんて、半日かそこらでできることじゃない。
きっと前から、この日にやろうと打ち合わせていたはず。
それなのに、私はそんなことも見えなくなっていた。