ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「8時か。親父さんも、こんな時間に電車で遠くまで移動はしないと思うし、この辺りにいそうだよな。女の子一人じゃ危ないし、オレも一緒に探すよ」
「うーん、じゃあ私はここで待って連絡係かな? おじさんが帰ってきたら、携帯で電話するよ」
当たり前のように提案する二人に、私はまたもや泣きそうになった。
さっきから涙腺が崩壊してばかりだ。
「ああ、ほら。泣いてたって進まないから」
いつの間にか放り出していたティッシュの箱を崇さんが拾い、私に差し出す。
何枚か引き出すと、私は再び鼻をかんで、頭を下げた。
「二人とも、ありがとう。よろしくお願いします」