ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
お父さんに用事なんてないし、必要ないと思っていた。
お父さんは私の携帯の契約をしていて、私の番号を知っているのだから、
何かあればそれで事足りるだろうと思っていた。
向き合おうとしていなかったのはお父さんじゃない。
私だ。
そんな事実に気づいた。
「どこに行ったの」
こっちで合っているのか。
見当違いな場所を探しているのかもしれない。
お父さんが普段、会社以外ではどういうところに行くのか知らない。
こういうとき、お父さんがどこに行くのか想像できない。