ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
こんなに冷えるまで、一人でこんなところに来させてしまった。じくじくと胸が痛む。
もっと流れそうになる涙は、目に力をこめて我慢する。
お父さんは私の行動に驚いた顔をしたあと、クスッと笑った。
「本当なら、もっと幼い頃にこういう喧嘩をするのかもな」
「え?」
「私が茜を一人にして、こういう喧嘩もできないようにしていた。ちゃんと茜のそばにいて、茜とこうやってぶつかり合うべきだったのに」
私は必死に首を横に振った。
それでは、まるでお父さんが悪いみたいだ。
「私たち、そっくりなんだって」
「そうなのか?」
お父さんが目を丸くする。私も笑みがこぼれた。