ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「たぶん二人とも、どうやって接したらいいのかわからなくて。誰かのせいだと言うなら、私とお父さん、両方のせいなんだよ。どっちもどっちなんだね」
誰が悪いなんてことはないけど、原因を探すなら、きっと二人とも問題があったのだ。
お父さんが私の肩を引き寄せた。
「変なところが似てしまって、済まない」
私はお父さんの胸にしがみつきながら、クスクス笑う。
「不思議だよね。私たち、あまり一緒にいなかったのに、ダメなところが似てる」
「父さんはそれを茜に教わるなんて不甲斐ないな……」
「人生で勉強することって、生きてる限り続くのかな」